「おはよう」から「おやすみ」まで、毎日いっぱい「うれしい」がある子どもたち。
そんな子どもの姿を、人気作家・えがしらみちこさんがみずみずしく描いた絵本です。
カチャカチャ、トントン……。
朝、目が覚める音、それは朝ごはんの音。
「おはよう」と、お母さん・お父さんとごあいさつ。
あいさつもお味噌汁も、「うれしい」!
園の制服に着替えて、「いってきます」と家を出ようとしたら、あれ、雨。
黄色いかっぱを着て、お父さんと並んで、シロツメクサが雨に濡れ、カタツムリたちが喜ぶ雨粒の中を歩いていくのも「うきうき わくわく」で「うれしい」のですよね。
帰り道で、いろんな歩き方をしてみたり、特別な形の石を見つけたり、毎日新しい発見があるのも……。
朝降っていた雨は、お母さんがお迎えに来るときにはやんで、夕暮れから夜へうつっていく風景が素敵です。
「いつも あたりまえのことが うれしい」
「ぼくが いて みんなが いて、あした おきても ぼくは ぼく」
大人が見落としがちな「うれしい」を、子どもは全身で感じています。
でも……忙しい大人が急かすとき、ひとつひとつの「うれしい」をしっかり感じられないままに、通り過ぎることもあるのかもしれません。
そうだとすれば、もったいない!
本書を読むと、きっと、たくさんの「うれしい」を思い出します。
慌ただしい毎日の中で、ちょっとだけ手をとめて絵本を開き、親子いっしょに「きょうも うれしい」を味わう時間がありますように。
心にしみる言葉と絵に出会える絵本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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「おはよう」の朝ごはんのにおいから「おやすみ」のおふとんの心地よさまで、ぼくがみつけた感じた抱きしめた、一日のたくさんの「うれしい」。この世は「うれしい」で満ちている。さあ、今日はどんな「うれしい」にあえるかな。
編集者コメント
「なんかいいことないかな」「そろそろ運が向いてきてもいいのでは」「最近嫌なことしかないし、私なんて」…ほんとうでしょうか? 実はこの世は「うれしい」で満ちている? …それを知っているのは、こども>大人 かもしれません。一見マイナスと思えることだって、角度を変えたらプラスがいっぱい。ぼくの一日を疑似体験しているうちに「うれしい」をキャッチするくせが、きっと伝染していることでしょう。自ら絵本専門店 “えほんやさん” の代表を務める作者・えがしら みちこの、あたたかくやわらかい世界。
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