『二分間の冒険』はじめ、小学校中高学年向けに読みごたえのある物語をたくさん出されている岡田淳さんから、このたび低学年向けのお話が届きました。1、2年生から岡田淳さんの世界が味わえるなんて、これは朗報です。
主人公は、シュークリームが大好きな男の子、ダイスケ。どのぐらい好きかといったら、
将来シュークリーム屋さんになりたいと考えるほど。ある日、おねえちゃんの分にまで手をつけようとしておかあさんに怒られ、家を飛び出し公園へ。こかげに座りこみながら、「百倍の大きさのシュークリーム」を食べることができたら、どんなにいいだろうと考えます。百倍ってどのぐらいの大きさになるのでしょう?ちょっと想像つきませんね。
そんなダイスケの前に現われたのがカラスと黒ネコ。2匹はダイスケにいきなり話しかけてきて、お願いがあるというのです。そのお願いというのが、巨大なシュークリームを食べること。シュークリームに目がないダイスケにとってはなんておいしい話!しかしおいしい話にはかならず裏が?いったいどんな理由が隠されているのでしょう?本のタイトルが『魔女のシュークリーム』ですから、何か魔女がらみの不穏な話なのでは…?
ドキドキハラハラしたい子、甘いものが大好きな子におすすめしたいとろーりあまーいファンタジー。読んだ後たっぷり満たされてしまうのは、お話の面白さはもちろん、巨大なシュークリームを食べたような気になるからかもしれません。
(秋山朋恵 絵本ナビ編集部)
続きを読む