色鮮やかな表紙に浮かび上がる、にっこり笑ったにゃんこたちの顔。
なんて可愛いのでしょう。でもこのにゃんこたち、お行儀が悪かったり、いやがらせをしてみたり、いやいやばっかりだったり。なんだか、見覚えるのある困ったちゃんたちの様です。
親しみやすく、でもちょっぴりシュールな展開が一度読んだらクセになる「にゃんこちゃん えほん」シリーズの作者は1986年に46歳の若さで急逝するまで、100冊あまりの著作を残している童話作家・東君平さん。この度、シリーズ全4巻が待望の復刊を果たし、今の小さな子ども達と一緒に楽しめるようになりました。
2作目の主人公、ぼりぼりにゃんこはちょっとすごい。
なんってったって、今日もぼりぼり、朝からぼりぼり、
「はなくそ」をほじくっているんですから。
ところが、そのはなくそを「くださいな」と、ありが言うのです!
ありは、にこにこ仲間の所に持っていきます。
思いがけず、大評判になったぼりぼりにゃんこの「はなくそ」ですが、
いくら欲しがられても、はなの中が空っぽになったらおしまいです。
すると、ありたちが「けちんぼ」だと怒りだして・・・!?
躍動感あふれる君平さんの切り絵。にゃんこの動きやありの表情、そしてこの色彩!
ファンにはたまらない出来上がりですよね。
この後にゃんこはどうなったのかな?
子どもたちは、にゃんこの姿に笑いながらも、「・・・気をつけよう」なんて思ってたりしてね。
ママが注意をするより、よっぽど効果がありそうですよ。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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