クリスマスの前の晩、ひっそりと静まりかえった家の中は何ひとつ動きません。子供たちはベッドの中ですやすやと眠り、砂糖菓子の夢を見ています。母さんも、父さんも冬の夜の眠りについたところです。……その時です、とてもにぎやかな音が外から聞こえてきました。父さんはベッドから跳ね起き、窓辺にさっと駆け寄りました……。
「クリスマスの前の晩のことでした」で始まるクレメント・ムーアの物語詩。1822年のクリスマス前夜、ムーアは子供たちを喜ばせようと『セントニコラスの訪れ』と題する詩を書き、この詩が後に『クリスマスの前の晩』(T was The Night Before Christmas)としてよく知られる米国の古典となりました。今でもクリスマスが近づくとあちらこちらで耳にする口承詩には、クリスマス前夜のワクワクした喜びと不思議な神秘が満ちています。 イラストは1902年、『オズの魔法使い』の挿絵で知られるウィリアム・W・デンスロウが姪のために描き上げたもの。ちょっぴり劇画風でコミカルなスタイルは、100年前の作品とはいえ逆にモダンな印象を与えます。 時代を感じさせる丁寧な布の装丁からは、作り手のまごころが伝わってきます。 ――(ブラウンあすか)
クリスマスの前の晩、家中がしんと寝静まったころ、外の物音で目が覚めた父さんが窓を開けると、空にセントニコラス(サンタクロース)のそりが……。アメリカのクリスマス絵本の古典。
クレメント・ムーアの「クリスマスのまえのばん」は、いろんな人が絵本にしているクリスマス絵本の定番でしょうか?
訳の違いも面白いのですが、原詩を見ると、渡辺茂男さんの訳が一番オリジナルに近いように思います。
そして、このデンスロウ版の特徴は何といっても絵の楽しさでしょう。
サービス満点で、クリスマスが楽しくなると思います。
サンタクロースのコスチュームがグリーンなのも、何だか新鮮です。 (ヒラP21さん 60代・パパ )
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