|
いちょうの実はみんな一度に目をさましました。そしてドキッとしたのです。今日こそはたしかに旅立ちの日でした。親子の情愛と世間へ出て行く子どもたちの心理をすごく自然に、やさしく描いています。あたたかさが伝わる作品です☆「自分と同じ名前なのでずっと意識していました。」というユニット”100%ORANGE”として活躍中の及川賢治の持ち味を余すところなく発揮した傑作絵本です!
▼「宮沢賢治の絵本」シリーズ
【著者プロフィール】 及川 賢治 1975年千葉県生まれ。多摩美術大学グラフィックデザイン科卒。会社員を経てイラストレータに。高校時代の同級生竹内繭子とともに、100%ORANGEとして活動を開始。イラストレーション、デザイン、漫画、広告、絵本、CDアルバムの装画、アニメーション制作など幅広く活動中。2008年に「義男君がぎゅうにゅうをこぼしてしまったおはなし」(岩崎書店)で日本絵本賞大賞受賞。主な絵本に「ぶぅさんのブー」(福音館書店)「コップちゃん」「くつしたくん」(ともに中川ひろたか/文 ブロンズ新社)「グリンピースのいえ」(教育画劇)など多数。 続きを読む
いちょうの実はみんな一度に目を覚ましました。今日は確かに旅立ちの日です。この日を悲しんで、いちょうのおかあさんは、扇型の金色の髪の毛を昨日までにみんな落としてしまいました。子どもたちは、旅立ちの日に、あれこれとおしゃべりをして、準備をしています。楽しみにしている様子、不安でたまらない気持ち、思うように準備が進まないなど、それぞれの気持ちが、会話から伺えます。でもおかあさの声はまるっきり聞こえてきません。子どもの気持ち、親の思いが、痛いほど伝わってきます。やっぱり宮沢賢治って人は、すごい人です。
そして、いちょうの実が落ちたあと、木に残っていた一枚のコート、『ここにあったんだね。』
以前、いちょうの木が街路樹の道を、秋に車で走る時は、運転に気をつけなさいと母に言われたことを思い出しました。落ちたいちょうの実を子どもが拾っているかもしれないからだと…子どもの気持ち、親の思いが胸にしみました。 (おしんさん 50代・ママ )
|