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農場の動物の気持ちが初めてわかった
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投稿日:2023/12/14 |
農夫のおじさんに引き取られた子ブタが、牧羊犬や羊たちと交流しながら、一流の牧羊ブタに成長する奇跡の物語。
映画「ベイブ」(1995年、USA)の原作となった児童文学。
作者は実際にイギリスで農業の経験があり、羊飼いや農場の様子が実に生き生きと描かれている。
動物や人間をじっくりと観察し、同じ地球に住む住人として、差別することなく、対等に尊重している純粋な気持ちが伝わって来る。物語を通して、命の尊さや、ベストを尽くす尊さ、日常生活で大事なこと、お互いに気持ちよく暮らしていくために必要な配慮・思いやり・礼儀などを教えられる。
子ブタを引き取ってから農夫のおじさん、主人公の子ブタ、一緒に暮らす動物たちが、モノすごい速さでいろんなことを経験し、気持ちや考え方が変わったり、人生が変わったりしていく。次は何が起きるかハラハラしたり、いがみ合っていた者同士の気持ちが通じ合うようになったことに感動したり、いろんな「大事な事」に気づいて心がいっぱいになったりしているうちに、あっという間に読み終わってしまった。
ずっと気になっていた映画なのに、見ていなかった。
映画より先に原作を読んでよかった。
作者がこの物語を読む人に伝えたかった「大事な事」が、日本語に翻訳されても、しっかり伝わったと感じた。
生き物に上下はなく、どの生き物も一生懸命に生きていると思う。
後書きに翻訳担当者が書いてあるように、いろんなことを考えされられ、心に残る素敵な話。純粋に感動できる。
動物をデフォルメせず、ありのままに描いた挿絵も素晴らしい。まるで本当に動物たちが話をしているようだ。
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子ども時代と大人とずいぶん違うね
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投稿日:2023/12/14 |
うまれたてのきつねが、どんどん成長して12週間たつまでの成長を記録した写真絵本。
原書:1992年、日本語版:1994年刊行。
ほんの赤ちゃんの頃は、わんちゃんみたいでコロコロしていて可愛らしいのに、ずんずん容赦なく成長して、すっきりとした形になった。すらりとして素早く動いて、狩で小動物を冷静に仕留める形になる。顔の表情も、子ども時代の弱そうな顔から、大人になると精悍な顔になる。成長するにつれて、どんどん迫力も出てきて、肉食獣らしい雰囲気に。
きつね、というと、「かいけつゾロリ」シリーズや、昔のアニメーションでは泥棒や悪役として登場したりするので、悪い&ずる賢い印象が強かった。
個人的には、祖父が「きつねの襟巻」を持っていた(猟師)ので、怖ろしい印象もあって親しみにくい動物だった。
しかし、本書を見て、なかなか素敵でかわいいところもあって、好きになった。小さい頃は犬に似ているのに、段々きつねになっていく様子が面白い。
なかなか見られない貴重な動物の成長記録。楽しい絵本です。
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歯医者と野球とミシュランなんて
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投稿日:2023/12/08 |
「おっとりしてて、なのに読みごたえあって、かつ楽しいもの」を収録した短編ミステリー集。
・「歯痛の思い出」 ※亜愛一郎シリーズ 著:泡坂妻夫 1997
・「幻の虹」 著:青井夏海 1994:自費出版→2001:創元社より出版
・「ムッシュ・ボンバルのばかげた秘密」 著:ポール・ギャリコ 1950
どれも奇妙な味の、ユーモアや風刺が効いている作品ばかり。
独特の世界観で、人を食ったかのように話が展開する「歯痛の思い出」。まるで新作落語のよう。しつこく繰り返されるギャグと、妙な話のもっていきかたが心に残る。
「虹の橋」は素人が自費出版した後、評判になって本当に出版されたという奇特な作品。全くの野球音痴に、野球のルールを実際の試合を見ながら説明しながら、裏で事件が起きるという妙な展開。いろんな人間の個性を、強烈に鮮やかに描いていて印象に残る。
トリを務めるは、大御所作家。ミシュランの覆面審査員を相手に、料理屋がてんやわんやになる話。華やかな文章が、濃厚なフランス料理を堪能した気持ちにさせる。
どれも曲者ぞろい。
どれもが、個性が強烈過ぎて、印象に残る。
短編集を読むと、読了後に「読んだはずなのに、思い出せない話」があるものだが、これは3つとも全部が強烈に記憶に残る。
変わった話を読みたい人におススメ。
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寝る前にちょうどいい
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投稿日:2023/12/05 |
主人公のタヌキが寝ている絵本。
2009年刊行。こんなに動きのない主人公も珍しい。最初から最後まで寝っぱなし。
寝ているだけなのに、影響力が異常に高く、近くにいるとつられて寝てしまう。
最初はキャベツ畑に居たらしいが、いつの間にか川べりや草原、海の中など、いろんな場所に出現している。寝っぱなしなのに、どうやって移動したか?夢遊病か?それとも、読者がページをめくる合間に起きて移動しているのか…
ツッコミどころが満載で、楽しい絵本。
極めて平和で、特に事件も起こらず、みんな寝ているので、読者もついでに寝てみようかと思えてくる。寝られない時に開いたら、寝られる効果があるかもしれない。
どんな夢を見ているのだろう?
いろんな意味で気になるところがたくさん。
不思議な絵本だ。
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昔の農家の暮らしがわかった
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投稿日:2023/12/05 |
ヤギの育て方、種類、性質、ヤギ乳を使ったお料理、歴史などを教えてくれる学習絵本・実用書。
この絵本を読んで、「子どもの頃に、ヤギの乳を飲まされた」と言っていたおじさんの話が、ようやく現実として理解できた。
ヤギと言えば、うちも実家が農家だったし、近所も農家だったが、飼っている人がいなかったから、アニメの「アルプスの少女ハイジ」に出てくるキャラクターとしての印象しかなかった。大人になってから、フランス産のヤギ乳のチーズを食べる機会はあったが、ヤギと言う生き物について、そんなに知ったり、触れ合ったりする機会はないまま今に至る。
だから、知らないことがたくさんあった。
本書では、日本の農村で飼われていたヤギの様子がイキイキと描かれている。著者が子どもの頃は、ヤギは普通に飼育されていた動物だったという。
ヤギの出産や、世話、餌や病気について、そしてヤギを殺して肉として食べることについても、しっかり向き合って真面目に教えてくれる。食用として飼う場合、避けては通れぬ「と殺」については、「キミが決める」という言葉で、読者に判断をゆだねているところが、心に残った。
私は、動物を飼うと、どうしても「家族」だと思えてくるので、きっとヤギを飼ったら、最後まで家族の一員としてお世話をすると思った。
「ヤギは家族や親戚だけで食べきれる」という説明が、リアルだ。私たちのご先祖様は、モノのない時代、今よりもずっと不便だった時代に、動物と共に生きて、命をつないできた様子が想像できて、神妙な気分になった。
命というものについて、考えさせられる。
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「ちゃんとした」クリスマスがわかる絵本
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投稿日:2023/11/30 |
原書:1967年、日本語版:2007年刊行。
アメリカのニューヨーク生まれの作者が、クリスマスの起源やクリスマス前の習慣とキリスト教が普及した後の様子、イエス様の誕生の話(聖書)や、クリスマスの祝い方などを教えてくれる絵本。
11月、12月になると日本でもクリスマス・セールが世間をにぎわすが、「本当の」「ちゃんとした」「本場の」クリスマスとは違う、「年末の売り出し」行事の一環としてとらえられていると私は常々思っている。
本当のクリスマスを探して、日本の教会やヨーロッパなどにも行ったし、いくつか本も読んだが、本当のクリスマスなのか、そうではないのかが、よくわからないで今に至る。
本書は、アメリカ生まれの筆者が経験したクリスマスの過ごし方や、聖書の話、ヨーロッパの古い習慣とキリスト教伝来後の習慣の違い、人々の意識の移り変わりなどを、絵本というわかりやすい形で、簡潔にまとめてある。
日本では、表面的な派手さと、特別なご馳走を食べて、プレゼントをもらえる日というところだけが強調されているが、本来は昔の人の冬を乗り越えるための季節の行事や宗教や信仰、見えない偉大な存在を尊重する表現などがあったことが、しっかりわかった。
生き残ることが大変だった昔の人々の素朴な願い。
娯楽が少ない時代の人々が、純粋に楽しみにしていた様子が伝わる。
美しい絵と、丁寧な文章で、神妙な気持ちになるクリスマスの本。
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どんどん変わる不思議な生き物
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投稿日:2023/11/30 |
1992年刊行。
たまごから孵化して、オタマジャクシから、どんどんカエルになっていく様子を写真で紹介した絵本。
田舎で子ども時代を過ごしたので、田んぼには春にはカエルの卵とオタマジャクシと、いろんな生き物が大量にいて、楽しく遊んでいた。今は、田んぼも何もない殺風景な住宅街に住んでいるから、あの頃の体験はとても貴重なものだったとわかる。
本書は卵から黒い玉が、にょーっと細長くなって、ナマズみたいな格好になって透明な卵から出てきて、ずんずん大きくなって、エラがある不思議な深海魚のような形から、手足が生えて、しっぽがなくなり、カエルの形になるまでを、懇切丁寧に写真で見られる。
田舎でさんざん見たというのに、意外と細かい部分はしらなかったので驚きだ。
魚の時代と、両生類・爬虫類の時代を経験する不思議な生き物。そのうち、鳥類になり、哺乳類になり、人類になり、宇宙に飛び出ていくかもしれない…などと、空想してみると楽しい。
生き物はどれもまだまだ知らないことが多い。
本書は、楽しい文章と、興味深い写真で、好奇心が満たされる。大好きなシリーズ。
こういう本は、大人になってから改めて見ると、楽しみが倍増する。
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大事なモノは大事なモノ
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投稿日:2023/11/15 |
素晴らしい宝物を飾っておく部屋を作ったモリネズミのお話。
2013年刊行。(原書:2006年)
大人が読んでも、心に残る、ちょっと哲学的な絵本。
素敵なモノを集めて、集めて、自分の部屋をいっぱいにして、それを誰でも「見たい」人に見せてあげている。心が豊かな人生。
しかし、他人の意見を真に受けて、本当に素敵なモノを「つまらないもの」と思い込んで捨ててしまった。それからの彼の落胆ぶりと、周囲の人たちの反応が痛々しい。
いろんなことを考えさせられた。
自分の意見と、他人の意見は違う。
自分の人生なのだから、時には人の意見を聞くことも大事だが、一番大事なのは、自分が本当に大事にしているものを守り通すことだと思った。
あと、くよくよといつまでも後悔しないこと。
大事なことをいくつか教わった。
こういう風に自然な形で、心に大事なものが入って来る絵本に出会えてよかった。
話の内容は物静かな気がするが、その分、絵が派手で、いろんな細部にこだわりがあるので、絵を見ているだけでも楽しめると思う。
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生まれた後にうさぎになるのね
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投稿日:2023/10/31 |
うさぎの生まれたて〜6週間目までを、写真で紹介する学習絵本。成長の記録と、うさぎ本人のコメントが楽しい。
1992年刊行。(原書:1991年)。
生まれたては毛も生えておらず、目も明いていない。耳も短くてなんだか別の生き物のよう。1週間かけてようやくにこげ(和毛)が生えてきて、2週間目でようやくものを見たり、聞いたりできるようになった。
うさぎは生まれてから、時間をかけてうさぎになっていく。
その間、親がかいがいしく面倒をみる。親の姿はあまり載っていないが、そんな様子が伝わってきてほほえましい。
うさぎ本人になったつもりのコメントが書かれていて、これも素敵だった。初めて体験する世界を、どう感じているのか?
新鮮な気持ちと、命の賢さが感じられて楽しい。成長していくことで、自信をもって誇らしく生きていく様子がカッコいい。
上下と見返しにあるうさぎの絵は、楽しい雰囲気。
実際は、生きていく間にいろいろあるのだけど、こうやって平和に安心に、動物が成長していける世界があちこちにあることが一番いいと思っている。
このシリーズはいろんな動物の、知らない姿が見られるので大好きです。生き物は美しく、尊い。
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びっくりぽんな結末
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投稿日:2023/10/09 |
いもむし電車に乗って、終点まで行く話。
出発は「はたけ」、終点は「はなばたけ」。
途中に池や川、村など、いろいろな風景が見え、それぞれの場所で降りる人があって、それぞれの物語を作りに行くのだろう。電車に乗っている途中に見える風景にも、いろんな人物(動物、その他)があり、それぞれの暮らしがあり、生き方があるのが想像できる。
どこかに旅行に行く時に、長い道中、車窓から見える景色をぼんやり眺めて、あれこれ想像してみる感じが味わえた。
お話の結末が奇想天外・ビックリ仰天。
是非とも実際に本書のページをめくって体験して欲しい。
大人になってから自分の楽しみで絵本を読んでいるが、
こういう楽しくて、予想外の展開が待っている上、読後が爽快な作品は、心も体もすっかりリフレッシュできてうれしい。
まさかあんな結末とは…なかなかすごい事を考えたな、と作者の遊び心に感心。
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