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ねずみのアレクサンダは、子供達にちやほやされる玩具のぜんまいねずみがうらやましくて仕方ありません。しかしある日、その玩具はゴミ箱に捨てられていたのです・・・
昔、表紙のかわいらしいねずみに魅かれて手に取り
想像以上の深いお話に入り込んだ覚えがあります。
今回久しぶりに読み直してみました。
コラージュのような色鮮やかな美しいページが沢山ある中でも、
強く印象に残っていたのが「むらさきのこいし」と「まほうのトカゲ」でした。
満月の夜、アレクサンダが抱える「むらさきのこいし」は本当にきれい。
石だけ見ると、何の変哲もない紫色の石なのに、不思議です。
自分のことばかり考えていたアレクサンダが、
ウィリーの悲しみに共感したとき「とつぜんめにはいった」むらさきのこいし。
しあわせになるために必要なことは何なのかを象徴しているようにも感じました。
また、「はなばなとちょうちょうのいろをした」幻想的なトカゲは
魔法使いというより、神様のよう。
「おまえはだれに、それともなにになりたいの?」
アレクサンダはウィリーを救ったのと同時に
「自分は自分になりたい」と答えを出したようにも感じました。
最後のページのねずみ達の表情がとてもいい。
音楽でも流れてきそうな、喜びにあふれたダンス。
今はまだ真っ白な未来に、生きているネズミとして大変なことがあっても、
2匹はずっと友達でいられるのではないかしら。
低学年の教科書に載っている小学校もあるのですね。
今回、息子の反応があまりなかったせいもあると思うのですが、
もう少し大きい子向けな気もします。
でも、いい絵本との出会いを阻む理由はありません!
小学生くらいから大人まで、年齢やその時々の自分の置かれた状況で
読み方が幾通りにも変わりそうな奥深い絵本、おすすめです。 (ランタナさん 30代・ママ 男の子8歳、男の子5歳)
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