「むげんことわざ」、いったいどういうこと!? そう思いながら絵本を開けば、本当にそのタイトル通り、ことわざと慣用句が無限につながって、物語が進んでいくのです。
始まりは「いぬも あるけば ぼうに あたる」。そのあたった棒の先に乗っていた「たなからぼたもち」が落ち、ぼたもちにあたっただるまが「ななころびやおき」し、びっくりした「とんびがたかをうむ」。そうこうしているうちに、やっと主人公の登場です。
「ねるこは そだつ」というけれど、「ねみみに みず」でついに起き出した男の子が、おばあさんとおじいさんの家へ手にした宝を届けにいくことに。さて、道中ではどんな出来事が待っているのでしょう。
いくら「ことわざ絵本」だからといって、一見開きに3つも4つもことわざが登場すれば、読んでいても頭が混乱してしまいそうなもの。ところが、目で追っていくだけで、ことわざの響きや意味までがすんなりと理解でき、それどころか思わぬ展開の連続に笑ってしまうのです。浮世絵のような雰囲気で見せてくれる絵、大胆な画面構成、コミカルな登場人物たちの動き。独自の世界が広がる大串ゆうじさんの作品の魅力満載、なんと充実した内容なのでしょう!
……これだけ説明しても、どんな絵本かわからない? 「ひゃくぶんは いっけんに しかず」です。今すぐ手に取って、ページをめくって確かめてみてくださいね。ことわざ・慣用句が50個掲載されています。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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