「アイスクリームは あついのが きらい」
「すぐに とけちゃうから」
わかる、わかる。
とけちゃったら、アイスクリームじゃなくなっちゃうものね。
じゃあ、寒いのは?
…やっぱり「きらい」なんだって。どうして、どうして?
「せっけんは きれいな手が きらい」
「あまり やくに たたないから」
なるほど、確かに出番がありません。
自分の存在価値に悩んでしまうかもしれません。
じゃあ、きたいない手は好きなのかと言えば…そうでもないの!?
納得の「きらい」、意外な「きらい」。こんな風に、意外なものたちの「きらい」が次々に登場するこの絵本。不思議な「きらい」も出てきます。
「トンカツきらいな にくやさん」
何があったの?
途端に知りたくなってしまいます。
きっとそこには、深くて長い理由があるはずです。
いや、理由なんてなくて困っているかもしれません。
端から見ていると、なんだか可笑しいですよね。
もともとあまり前向きなイメージがない「きらい」という言葉。子ども達はもちろん、大人だって結構持て余しているに違いない感情です。でも、こうして並べてみると「きらい」って、なかなか興味深くて面白い!そこには、自分を知る、他人を知る、大きなヒントが隠れているのかもしれないからです。
「だったら、楽しく悩んじゃおう!」
中川ひろたかさんと工藤ノリコさんのユーモアセンスが、みんなを全力でバックアップしてくれていますよ。
「ぼくのきらいなものは…?」
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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