まいちゃんが好きなのは、真っ白なこねこのバニラ。 ぎゅうううっと抱きしめたら、本当に気持ちがいいのでしょうね。 ところが、そのバニラが大好きなのは、まいちゃんよりもソファの青いクッション。 あらあら、片思い? そうかと思えば、青いクッションはバニラよりも、バニラの毛をすいとってくれる掃除機が大好きなん
ですって。 なんだかややこしいですよ。 ではでは、掃除機は……?
みんなが思う「だいすき」なもの。だけど、その「だいすき」が自分に向けられているとは限らないなんて、わかっているつもり。でも気になっちゃいますよね。次は?次は? そうやってどんどん展開していって、最後にはどうなるのでしょう。
『ものすごくおおきなプリンのうえで』(教育画劇)も話題となった二宮由紀子さんがつくるお話です。想像通りに進むかと思えば、ちょっとした「!」や「?」にぶつかりますよ。でも、いいんです。だからドキドキわくわく、色々なことが楽しくなるんです。 とってもキュートな、市居みかさんの絵とともにお楽しみください。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
まいちゃんがだいすきなのは、こねこのバニラ。でもバニラがだいすきなのは、青いクッション。でも、でもね、青いクッションがだいすきなのは……。 13年度読書感想画中央コンクール指定図書
だいすきな気持ちは一方通行でなくて
ひとつひとつが持っている気持ち、
まわりをみたら、その気持ちがつながっていて
そばにいるものを好きになる。
自分だけで生きているんじゃなくて
横を見て、上をみて、ちょっと触れた時
ちょっと寄り添った時、いろんなときに大好きな気持ちが
出てくるんだなとおもいました。
バタンと閉めるお姉ちゃんだって、いないと寂しいし
お母さんも掃除機もゴキブリだって
目を向ければみんなこの家、一つの家で生きているんだな
って思いました。
私の好きな物がつまっているのが「家」なのかもしれませんね。 (もぐもぐもぐもぐさん 30代・ママ 男の子6歳、男の子3歳、女の子0歳)
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