こぶたのブブコさんは、森で拾ったフライパンでギョーザを焼くことにします。
ねぎ、にら、キャベツ、にんにくをみじん切り。
お肉と混ぜてこねこねこねー。
うーん、美味しそう。皮で上手に包んで、後はフライパンで焼くだけです。
ブブコさんがコンロにフライパンを置いて、火をつけようとすると…
「火は いらん、火は いらん」
フライパンがしゃべった? 火がいらないって、どういうこと!?
ところが。完成したギョーザときたら、あつあつで、かわはパリっとして、肉汁じゅわー。
こんな美味しいギョーザは初めて!!とブブコさんが言うのです。
いつものギョーザと一味も二味も違う、その決め手はなんだというのでしょう。
「いかりの火で やいたんや。
いかりのパワーは すごいんやでえ。」
なるほど!どうやら、このギョーザを焼いた火の源はブブコさんがブウタとケンカした時のいかりのパワーだったようです。気が付いたらブブコさんの怒りはすっかり消えています。だったら、ほかにも怒っている人がいれば、また美味しいギョーザが食べられる?
なんてユニークな発想なのでしょう。確かに怒ると体力を使います。だけど、その分美味しいギョーザが食べられて、話し合いも進むとしたら…とても効率的です。これなら、いつも怒っているあの子のパワーだって役に立つかもしれません。みんなだって、どんどん怒ればいいのです。奇想天外な様で、意外と核心をついたこの仕組み。実現したらいいのになあ。
ところで、みんなの怒りがおさまっちゃったらどうなるの?
…続きは絵本でどうぞ。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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