小さな男の子ジョニーは、とても手先が器用。
かなづちで釘を打ったり、のこぎりで木を切ったりして、物を作るのが大好きです。
でも、お父さんもお母さんも、ジョニーの器用さに気づいていません。
「あの子ときたら! またバカなことをやっている」
ジョニーが何かを作りはじめると、必ずそういうのでした。
ある日、ジョニーは大きな振り子時計を作ろうと思い立ちます。
わくわくしてお父さんとお母さんにそのことを話しますが、まともにとりあってはくれません。
学校の先生にさえ、まだ小さいジョニーにそんなことは無理だといわれてしまうし、学校の友だちにもバカにされる始末。
それでも、自分の手で大きな振り子時計を作りたいジョニー。
そのためには、時計の材料となる歯車や振り子を手に入れなければなりませんが――
小さな男の子ジョニーが、夢を叶えるために奮闘するその姿がとても愛らしい一冊。
童話的でわかりやすく、メリハリがあってエンターテイメント性も高いストーリーで、誰にでも安心してオススメできる作品です。
学校の友だちにも、先生にも、両親からさえ笑われながら、それでも夢を叶える意志を曲げないジョニーの強さには、子どもから大人まで、誰もがきっと励まされるはず。
ジョニーは果たして、大きな振り子時計を完成させることができるのでしょうか?
小さな少年の抱いた大きな夢は、やがて思わぬ形で彼の名を国中に知らしめることとなるのでした。
(堀井拓馬 小説家)
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