『はなかっぱ』や『へんしんトンネル』で人気のあきやまただしさんによる『はらすきー』は、20年以上前に出版された『あしなが』の姉妹編です。
『あしなが』に登場した、ノラ犬のケンは、今作にも出てきますよ!
ケンがノラ犬仲間と一緒に暮らす町に、まるまると太った「はらすきー」がやってくるところから物語ははじまります。
ケンたちははらすきーを受け入れ、みんなで集めた食べ物がある秘密の場所にも案内します。
はらすきーがみんなとすっかり仲良くなったある日、秘密の場所の食べ物が全部なくなる事件が起きました。
犯人は、はらすきー。
すぐにおなかが空いてしまう、はらすきーは、がまんできずに食べ物を食べてしまったのでした。
泣きながらごめんなさいと必死に謝るはらすきーですが、
他の町でも同じことをしていたと知ったみんなは、許すことができません。
みんなから追い出されたはらすきーは、
ガリガリにやせて、とうとう倒れてしまいます…。
ケンたちは、そんなはらすきーを見て何を思ったのでしょうか?
そして、はらすきーはどうなってしまうのでしょうか…?
「罪を憎んで人を憎まず」
この絵本を読むと、そんな言葉が頭に浮かんでくるかもしれません。
悪いこととわかっていても、やめられない、はらすきー。
悪いことを繰り返してしまうはらすきーを、許せないみんな。
みんなの言い分もわかるけれど、はらすきーのことが心配なケン。
それぞれの立場で「正しい」を考えてみたら、どんな気づきがあるでしょうか。
親子で話し合って、色々な意見を交わしあえる。そんな特別な体験のできる絵本です。
(近野明日花 絵本ナビライター)
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