冬の夜更け、女の子と父さんは、みみずく探しに出かけます。
降り積もった雪を踏みしめながら、女の子は父さんについていきます。
「ほうーほう ほ・ほ・ほ ほーう」
と、父さんは、わしみみずくの歌声でよびかけます。
あえたりあえなかったり――それがみみずく。みみずくに会いたいなら静かにしてなきゃ。
兄さんたちに教わったことををしっかり守りながら、女の子は寒さを我慢して父さんについてゆきます。
「ほうーほう ほ・ほ・ほ ほーう」
ついにみみずくの返事が聞こえ、しばらくして二人の前にみみずくが姿をあらわします。
一面の雪で、息を呑む景色。
ダイナミックな構図の絵がひたすら美しい絵本です。
父さんと一緒にみみずくに会いにでかけるこの夜を、ずっとずっと待っていた、そんな女の子の気持ちがよく伝わってきます。
寒くて大変なんだけれども、ちょっと背伸びして、みみずく探しのルールを心の中で繰り返す、そのわくわくした気持ち。
そしてとうとうみみずくが現れ――じっと見つめあうその瞬間の胸の高鳴り。
クライマックスでページいっぱいに描かれるみみずくの姿は、どこか神聖な雰囲気が漂います。
大自然への敬いが感じられ、読んだ後スーッと気持ちが澄んでくる、そんな作品です
1988年度コルデコット賞受賞の名作です。
(金柿秀幸 絵本ナビ事務局長)
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