もし、自分がすごくちっちゃな生き物だったらこんな事考えるのかな…。
「小さい生き物が大きくて、大きい生き物が小さい世界だったら、
こわいものはなくなるよ。」
確かにそうかもしれない。
小さいから怖がらずに助かっているミミズや、小さいから可愛いと思っているリスが、
もし自分の何倍もの大きさになっちゃったら…絶対やだ!
タイトルを読んだだけで、もうこんなに色々考え始めちゃって(笑)。
すでに惹きこまれてますね。
絵本では、小さなネズミが想像をふくらませていきます。
いつも追いかけてくるネコだって、
ぼくが大きくなったら、きっとちぢみあがるだけだろう。
もし、ガチョウが大きくなったら?
チョウが大きくなったら…昆虫採集をしている探険家はどうする?
イモムシが大きくなったら…キツツキはどんな顔をする?
次々に登場する、大きくなった生き物たちの堂々としてること!
そして小さくなった生き物たちの弱々しいこと…。
特に表情が変わっている訳でもないのに、対面した時の気持ちが手に取るように伝わってきます。
それが温かく優しい色彩の絵で描かれているから、本当に奇妙。
当たり前って思っていたことが、当たり前じゃなくなるだけで、
世界はこんなに大きく変わっちゃうんですね!!
ページをめくっていくだけで盛り上がりそうな、楽しいドイツの絵本です。
それにしても大きくなったミミズ…今夜あたり夢に出てきそうです。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
続きを読む