ピンクのカーテンの奥に広がる夜空、星空が映る布団、清潔な白いベッド、ウサギのぬいぐるみ……。ひとつひとつが、頁をめくるたびに静けさと神秘さを漂わせて物語が始まります。
「トトントトン」というキツネが戸を叩く音が澄んだ空気の中に響き渡ってくるよう。
昼間、正子ちゃんに助けてもらったキツネがそのお礼を伝えたくて夜中にやってくる、
あたたかで静宿謐でユーモラスなお話。ラストシーン、草原の向こうから「ありがとうって言えたよ」
「よかったわねぇ」というキツネの親子の声が聞こえてくるようです。今江祥智さんが初めて書いたという
この童話は50年読まれつづけ、今回植田真さんのモダンな絵で装いも新たに素敵に誕生しました。
続きを読む