とある海辺のしずかな村に、旅するいかがある日ふらりとやってきた。村人たちはおどろき、近よろうともしなかったが、おだんごやのこはるちゃんだけは優しかった。「お茶のおかわり、いかが?」「かたじけない……」「あら、わたしったらついいかっていっちゃった」
そのときとつぜん、村中に大きな音がなりひびいた。なんと、かいの海賊たちが村におそいかかってきたのだ。村はもうおおさわぎ。するとそこに、たこにのったいかがやってきた。そやつは、目にもとまらぬすばやさで、いっぺんにたくさんのしゅりけんを投げ、剣のうでまえは天下一品。つかまってものびたりちぢんだり。
「おまえはいかにんじゃだな」ホラーガイが言うと、「いかにも。せっしゃは正義の味方、いかにんじゃでござる」「おまえみたいなかっこいいやつを見ると、体中がかいかいになっちまう。ふゆかいふゆかい。かい〜かい〜! みんなやっつけろ!」
だじゃれが満載のユーモア絵本。
続きを読む