これはあかくておいしいりんごです りんごはパパがやいた あまくてあつあつアップルパイになりました さて、だれのためのアップルパイでしょう? あめもたいようもちきゅうもぜんぶ、このアップルパイにつまってる! ひとつのアップルパイが世界につながる、つみあげうたの絵本です。
最初の但し書につみあげうたの絵本とありました。
つみあげうたとは、文章に後から文をどんどんと継ぎ足していく言葉遊びのこと。
確かに、どんどん、次から次へと、最初の
「パパが焼いた甘くて熱いアップルパイです」
という文章に、修飾語が追加されていきます。
その修飾語は、アップルパイを作るのには、地球の自然の恵みが必要ですというとこまで行き着くのですから、なかなか壮大なお話です。
良くある英文のように韻を踏んでいるのではないかと思うと、英文も見てみたいものです。
つみあげうたは、英語であれば、修飾語が後ろに来るのでその修飾関係が分かりやすいもので、日本語ではなかなか難しいところ。
そこは流石に、谷川俊太郎さんが上手く邦訳しているのでしょう。
ジョナサン・ビーンの絵は、1950年代の古き良き時代を彷彿させるもの。
この本のイラストは、バージニア・リー・バートンやワンダ・ガアグの影響を受けていると書かれていましたが、納得できるものだと思います。
古いテイストの絵本ですが、それが心に染み入る作品で、自然を考えるに適したもの。
お子さんとの会話にも結びつくものだと思います。 (ジュンイチさん 40代・パパ 男の子12歳、男の子6歳)
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