|
残暑が残る夜、ワニのわにわにはなかなか寝付けません。すると、家のそとをぞろぞろと歩くたくさんの足音がします。好奇心を抑えられないわにわには、窓からはい出て、人のあとについていきます。ずりずりづづづ、と足をひきずりながら。たいこ橋を渡ると、なんとなんと、そこはたくさんの屋台がでている縁日。一軒一軒のぞいて、ヨーヨーを買って、大きな花火を見て、ゆっくりと家に戻ります。
『わにわにのおふろ』を読んでその魅力にはまってしまったので、シリーズの他の本も続けて読んでいます。このシリーズは、一人の時間を謳歌するオヤジの日常を、こっそり覗き見しているような不思議な気分にもなって大人が読んでも楽しいです。
今回は夏の夜の一こま。なかなか寝付けない「わにわに」は、みんなにつられ夏祭りに出かけます。そこには、たくさんの人とたくさんのお店。「わにわに」は「よしよしよし」と満足げです。
「金魚すくい」のシーンで「おいで、かわいいきんぎょちゃん」とつぶやく「わにわに」の姿に、ちょっぴり野生を垣間みてドキリ。きれいな花火のシーンも圧巻です。
このシリーズでは、細かい描写も魅力の一つ。「わにわに」の寝ている布団や浴衣の柄などもかわいくて楽しめました。
これからやってくる夏休みが、とっても待ち遠しくなる一冊です。 (クッチーナママさん 30代・ママ 女の子8歳、女の子5歳、男の子2歳、)
|